物語とランタン

なぜ私は物語の作り方を売るのか?

ある程度の年齢に差し掛かった頃から、ニュースや映画や小説を見たり聞いたり読んだりするたびに、自分はいつごろ死ぬのかということを想像するようになりました。

出来るだけ長く生きるつもりではいるけれど、あと五年後とか十年ぐらいでといわれても不思議はない年齢ですし、今や一ヶ月後に死ぬ確率だって低くはないご時世です。

リアルに終わりまでの時間を測ろうとするのは私が年を取ったからでしょうが、不思議なことに、老化という現象は生きている実感をプレゼントしてくれるのであります。

命の期限が迫ることに暗澹とするよりも、今生きていることをしっかり意識しておこうと思わせてくれます。

まるで滅多に来れない懐かしい場所を訪れた時のように、目に映るものを、体に感じる空気や匂いを、自分を取り巻く音を、思い出として脳裏に焼き付けたいと思います。

中でも、出会った“人”の記憶は大切です。

思えばいろんな人から支えられてきましたが、大事な出会いは家族や仲間だけではありません。私の窮地を救ってくれた人の多くは実在しない人々でした。

それは物語の登場人物です。

臨死体験を経て死後の世界を旅する人。地獄のような現実世界をタフに生き抜く人。人を純粋に信頼し、愛することができる子どもたち。

私は彼らの行動によって生きている価値を教えられ、何度も元気を与えられ、人生観を変えられてきました。

ところがお恥ずかしいことに、私は人にはさんざんお世話になってきましたが、他人のお役に立ったという記憶がほとんどありません。

自分勝手なことばかりしては、愛してくれる人々を困惑させ、がっかりさせてきたのです。

いい歳になった私は、もうこれ以上人を傷つけたくありません。

むしろできることならば、傷ついた人の心を、古今東西の物語が私に教えてくれた『楽しさ』や『面白さ』をお伝えすることで癒やしたいのです。

経験則として、物語に人を癒す力があることは間違いないと感じています。

そして私は、長く物語の構造について観察しているうちに、人が物語を作るという行為こそがその力を生み出すことに気付かされました。

その力は光です。弱くて小さな光ですが、嵐の中でも消えないランタンの灯りのように、先人たちの切り開いてくれた道を照らしてくれます。

私はそんな『物語を作るための方法論』を研究し開発しています。ストーリーを直接販売する小説家や漫画家ではありません。

しかし、それ故に、創作技術について客観的に、タブーを持たず、その秘密の利権に躊躇することなく発表できます。

ただし、人類の歴史とともに、物語創作のための技法は次々に誕生し、常に進化していきます。

例えば新型コロナウイルスのパンデミックの前後では、社会のあり方は全く異なるものになるでしょう。

ということは私たちの人生観や常識も今までのものとは違ってくるはずです。

その変化に従って、物語に求められる機能も前提も大きく変わらざるを得ません。

物語創作においても新たな技法が必要とされます。

更新された知見を公開するためにはwebサイト構築やノウハウの配信が不可欠です。

そこで重要になってくるのがコストの負担です。

情報の発信には経費がかかりますし、研究生活を維持するためには私自身が業務に集中する費用が必要です。

無料で配るとコストが賄えずこの研究や成果の発表を持続することができません。

せっかく開発したスキルをお届けできないのでは研究の意味はありません。

そこで講座や電子書籍などの形で商品化して細々と販売することにしました。

そのための販売窓口がこの『物語とランタン』です。

私には子どももいなければ守るべき土地もありません。酒も飲めませんしタバコも吸いません。観光旅行もギャンブルもやりません。ペーパードライバーで外出嫌い。持病も多く、遊び回る体力もなければ物語創作研究以外の趣味もありません。

将来への野望も名声への欲望も、アタマと体が動かなくなるまでの持ち時間ももうありません。今さら大儲けを企んでいるわけではないのです。

残り時間で私は物語を作りたい人の手助けをしたい。

なぜならそれこそが私自身の物語であり、人生を導くランタンの灯りだからです。

どこまで出来るか、どこまで続くかは分かりません。風前の灯かもしれません。

しかし、もしあなたが物語を作ろうと思っているのなら、ここで公開するコンテンツを一度読んでみてください。

きっと新しい日々が始まります。

ストーリーデザイナー・ぴこ山ぴこ蔵

 

 

都市伝説から物語を作ろう!

これは『ぼくらの都市伝説』と『君だけの都市伝説』をセットにした物語創作講座です。ストーリーデザイナーぴこ山ぴこ蔵がレクチャーするのは、都市伝説や民間伝承をベースにあなただけの物語を構築していくテクニック。1枚のPDF、2本の動画、2つのwebツールから構成されています。

 

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